SL 24cm・重さは1kg前後になる。色合い茶色、もしくは肌色。貝殻はエゾボラ属の中ではやや薄い。角張り、成長脈(貝殻の縦に走る筋)が強く肩で割れてヒレ状に盛りあがる。螺肋(貝殻にある筋)は太く目立つ。
エゾボラの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)


![SL 24cm・重さは1kg前後になる。色合い茶色、もしくは肌色。貝殻はエゾボラ属の中ではやや薄い。角張り、成長脈(貝殻の縦に走る筋)が強く肩で割れてヒレ状に盛りあがる。螺肋(貝殻にある筋)は太く目立つ。[23cm SL・827g]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/508/Thumb630/ezobora00.jpg)
![SL 24cm・重さは1kg前後になる。色合い茶色、もしくは肌色。貝殻はエゾボラ属の中ではやや薄い。角張り、成長脈(貝殻の縦に走る筋)が強く肩で割れてヒレ状に盛りあがる。螺肋(貝殻にある筋)は太く目立つ。[23cm SL・827g]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/508/Thumb630/ezobora000.jpg)
![SL 24cm・重さは1kg前後になる。色合い茶色、もしくは肌色。貝殻はエゾボラ属の中ではやや薄い。角張り、成長脈(貝殻の縦に走る筋)が強く肩で割れてヒレ状に盛りあがる。螺肋(貝殻にある筋)は太く目立つ。[23cm SL・827g]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/508/Thumb630/ezobora0000.jpg)
![SL 24cm・重さは1kg前後になる。色合い茶色、もしくは肌色。貝殻はエゾボラ属の中ではやや薄い。角張り、成長脈(貝殻の縦に走る筋)が強く肩で割れてヒレ状に盛りあがる。螺肋(貝殻にある筋)は太く目立つ。[22cm SL・900g]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/508/Thumb630/ezobora00000.jpg)
-
珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★
知っていたら通人級食べ物としての重要度
★★★
一般的(流通量は普通)味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
軟体動物門腹足綱前鰓亜綱真生腹足目(吸腔目)エゾバイ科エゾボラ属外国名
学名
Neptunea polycostata Scarlato,1952漢字・学名由来
漢字 蝦夷法螺 Standard Japanese name / Ezobora
由来・語源 岩川友太郎の命名。
蝦夷地(北海道)に多い巻き貝の意味。模式標本は沿海州。
「ぼら」は巻き貝のことで、漢字は法螺。貝殻の中が洞(ほら)、すなわち空洞であったことから。岩川友太郎
安政1〜昭和8年 1855-1933、青森県生まれ。モースに師事して近代的な分類学を学ぶ。多くの標準和名をつけるなど貝類の世界での業績が目立つ。『生物学語彙〈ゴキブリは本来、御器かぶり(ごきかぶり)と言ったが本書のルビの振り間違いから「ごきぶり」になる〉』、『日本産蛤類目録』など。地方名・市場名 ?
生息域
海水生。水深10m〜1220m。
北海道以北に棲息しているが道東に多いと思われる。生態
産卵期は11月中旬から4月。基本情報
総て北海道産。エゾボラ(ツブ)類では比較的同定がたやすく、もっとも大きくなる。
流通量が多く、生食用(刺身用)巻き貝としては一般的なものでもある。現在、生食用巻き貝として不動の人気があり、値段はエゾボラ類の中ではもっとも高く、品薄になるとキロ単価が15000円以上になる。
本来北海道限定の味わいだったが、非常に人気が高くなり1990年代には全国的に流通するようになった。
貝らしい味わい、そして強い食感が楽しめる。しかも足(可食部)は薄いクリーム色で見た目が美しい。
珍魚度 珍しい貝ではないが、一般的な小売店ではまず売られていない。品薄になるとアワビ以上の値をつけるなど、探して高値でも買う気があれば手に入る。水産基本情報
市場での評価 関東など市場には入荷量の多いつぶ。北海道道東「つぶ」のなかではもっとも値段が高い。今や定番化している。大きいほど高いが、小さくても決して安くはない。
漁法 カゴ漁
産地(漁獲量の多い順) 北海道選び方
原則として生きているもの。持ち重りのするもの。味わい
栄養
ー危険性など
唾液腺にテトラミンをもつ。テトラミンはNeptunea(エゾボラ属)の巻き貝の唾液腺に含まれるもので、足を割るとクリーム色の柔らかなゼリー状の物体がある。これが唾液腺。ここにテトラミンが含まれている。テトラミンはNeptunea(エゾボラ属)以外にはスルガバイ(エゾバイ科エゾバイ属Buccinumのスルガバイ、フジツガイ科のアヤボラなどにも含まれる。食べると後頭部の激しい痛み、目眩、酒に酔ったような状態になり、吐き気、眼底の痛みをともなう。発症する唾液腺の量は個人差がある。食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
マツブ(エゾボラ)の料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、水貝、あぶり)、焼く(焼きツブ)、ソテー(中華炒め、バター焼き)、煮る(煮貝、酒蒸し)、揚げる(天ぷら)クリックで閉じます
マツブの刺身(エゾボラの刺身) 足に胡麻状の斑紋がなく、クリーム色で見た目がきれい。貝らしい風味と強い甘味、シコシコとして食感が実に心地よい。
貝殻から筋肉をぬく。唾液腺をとり、最初はなにもつけずもみ洗い。出て来たぬめりを流して、今度は塩をつけてもむ。ざっと洗い水分をよくきり、薄切りにする。盛りつけに貝殻を使ってみた。
マツブの水貝(エゾボラの水貝) 冷え冷えの中の足に昆布だしのうま味が加わって、より強いうま味が感じられる。締まった身の食感がとてもいい。クリックで閉じます
昆布だしを取り、酒、塩で味つけする。冷凍庫に入れてシャーベット状に。下処理したエゾボラの足の部分をできる限り薄く切り、皿に盛り、シャーベッド状の昆布だしを加えてすだち、山椒の葉(実)などを飾る。マツブのあぶり(エゾボラのあぶり) エゾボラの味は優等生的だが、少し面白みに欠ける。これをあぶることで香りが立ち、貝らしい風味も楽しめてとても味わい深いくなる。クリックで閉じます
剥き身にして足とわたの間にある消化器官を取る。ワタは塩ゆでにする。足の部分はぬめりをもみ出したら、表面を直火であぶる。一度冷水に取り、水分をよく拭き取り、薄く切りつける。焼き真ツブ(エゾボラの焼きツブ) 焼きツブというとヒメエゾボラ(青つぶ)と思われるかも知れないが、実は真ツブ(エゾボラ)の方が身に甘味があり、貝らしい風味、食感も楽しめておいしい。クリックで閉じます
小振りのものを選んでざっと表面を洗い、足をフォークなどで引き出し刃物で裂く。唾液腺を取り去り、水分をきって焼く。味つけは酒と醤油。真ツブのアヒージョ(エゾボラのアヒージョ) 貝のうま味の出た、多めのオリーブオイルが自体がうまい。足に甘味があり、食感が心地よい。ワタの濃厚な味もいい。クリックで閉じます
剥き身にして適当に切った本種の軟体を入れる。大量のにんにく、オリーブオイルを加えて火をつける。オイルが泡立ち、身に火が通ったら出来上がり。真ツブの中華炒め(エゾボラの中華炒め) 貝のうま味が野菜とからみ、まずは野菜がうまい。身の甘味が豊かで食感も心地よい。クリックで閉じます
筋肉は刺身と同じように処理し、適当に切る。調味料(鶏ガラスープの素・塩・酒・水)を合わせて置く。野菜はお好みで。「つぼみな」は適当に切る。油を熱し、さっと炒めて、調味料をからませる。いかに短時間で作るかが勝負だ。真ツブのバター焼き(エゾボラのバター焼き) バターとは好相性で貝らしい風味のなかに強い甘味が感じられて、ほどよい食感が楽しめる。クリックで閉じます
刺身と同様に処理をする。ぬめり取りは刺身ほどていねいにしなくてもいい。適宜に切り、ニンニク風味のバターでソテーしたもの。真ツブの天ぷら(エゾボラの天ぷら) 熱を通した分甘味が増す。食感がいいので衣との馴染みはそんなによくないが、端的にうまい。クリックで閉じます
足の部分は滑りを刺身と同じ要領でもみ出して適宜に切る。これに小麦粉をまぶし、衣をつけて高温で短時間揚げる。真ツブの天ぷら(エゾボラの塩ゆで) 本来刺身にするエゾボラをゆでてみたら、エゾバイ属(白バイなど)よりも味があった。少し硬めだが非常にうまい。ワタの味わいも濃い。クリックで閉じます
小振りのものを塩ゆでにする。そのまま鍋止めにする。身を抜き出して足の唾液腺を取る。そのまま少し煮汁の中で寝かせる。真ツブの酒蒸し(エゾボラの酒蒸し) 蒸し煮にしたのであまり硬くならない。柔らかい中に強い甘味がある。酒と塩だけの味つけなので本種本来の味が楽しめる。クリックで閉じます
刺身同様に処理したものを、少量の水と酒・塩でむき身を蒸し煮にしたもの。熱を通しても身は硬く締まらず、煮た分、甘味が増している。ワタの部分も味がいい。真ツブの炊き込みご飯(エゾボラの炊き込みご飯) 足の部分の甘味と貝らしい味がご飯に移って、とても味わい深い。そこに程よい食感の身が甘く、いい変化となる。醤油との相性もいい。クリックで閉じます
刺身同様に処理をする。適当に切り、醤油・みりんに漬け込む。水飯の用意をしてつけ汁ごと貝の身を加えて炊飯する。関連コラム(料理法・レシピ)
マツブなどテトラミンのあるエゾボラ属の仕込み
ツブなど(エゾボラ属)は基本的に剥き身にして、足の中心部分にある唾液腺をとってから料理する。 唾液腺にはテトラミンが含まれる。 テトラミンは死亡例はないものの・・・ 続きを開く好んで食べる地域・名物料理
もともとは北海道で一般的な食用貝だったが今や全国的なものになっている。加工品・名産品
加工品をまだ見ていない釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『新北のさかなたち』(水島敏博、鳥澤雅他 北海道新聞社)